『学術の動向』 2014.11 (2)

研究データベースとか研究データ管理に数年間携わってきて、その結果、 これは 9割方は金の問題だ、と思うようになった。しかし私は世間知らず なので金の話がピンと来ない。

積ん読の「学術の動向」の続きを読んでいたら金の話が出てきたので ちょっとメモしておく。

文科省・学術情報基盤実態調査 によると、国内の大学における平成25年度の総計で、

図書館資料費:

700億円

洋雑誌購入経費:

100億円

電子ジャーナル経費:

250億円

国研等の分も含めると日本全体でジャーナルに 400~500億円くらい支払っていて、 全世界だと数千億円規模の産業ということなのか。なるほど誰も彼もが シリアルズ・クライシスとぼやく訳だ。

理研・玉尾氏の、日本発国際誌の育成に関する記事 は興味深かった。 学術誌に対する費用に関して国家収支を考えると、日本から海外に流出する一方であり、 早急に評価の高い国際誌を育成して少しでも収支を改善しないといけない、という 分析。 仮に日本からの発表論文がすべて掲載料著者負担式だったとすると掲載料は 年間 110億円程度となり、これが外国に流出するか国内に還流されるかは 国家戦略上無視できない、ということらしい。 なるほど。そういうことは考えたことがなかったな。