いわゆる市区町村コードなるもの

これまで行政由来のデータを扱うことがほとんど無かったので 「市区町村コード」とかいうものをほとんど知らなかったのであるが、 業務上避けて通れなくなったので、これを機会に真面目に調べることにしたのである。

いわゆる市区町村コードには、実は3系統あって、初心者は混乱する。 というか混乱した。系統ごとに用語が微妙に違うので google で検索に 巧く引っかからなかったりするようだ。

系統間の関係について、調べた中では ここ が解りやすいか。

自治省系コード

正式には「全国地方公共団体コード」の「都道府県コード及び市区町村コード」。 旧自治省が地方自治体の事務処理のために作成したもので、作成時期は 3系統の中で一番古く、1968年。以下「市区町村コード」と呼ぶ。

「全国地方公共団体コード」は「市区町村コード」の他に 「一部事務組合等コード」が含まれている。この「一部事務組合等コード」が どういうものかと言うと、 たとえば「常総地方広域市町村圏事務組合」のような団体に 事務処理用コードを割り当てるためのものだ。 今回はこのような組合のことは関係ないので立ち入らないことにする。

「市区町村コード」のコードとしての特徴は、

  • 検査数字を含めた 6桁の数値
  • 都道府県、市町村、特別区(東京23区)、政令指定都市の行政区、を収録 (郡、支庁・振興局は除外)

現在は総務省地域力創造グループが管理しており、 総務省の電子自治体のページ から PDF と Excel がダウンロードできる。

過去の情報は、2005年4月1日以降の改正分が同じく PDF と Excel で入手できる。 それ以前の情報について、直接問い合わせところ、総務省地域力創造グループでは データを持っておらず、別途資料を当たられたい、とのことで、 例として 第一法規(という出版社)「全国都道府県・市区町村コード」 を紹介された。

行政管理庁系コード

正式には「統計に用いる標準地域コード」。 旧行政管理庁が 1970年に策定したもので、現在は総務省統計局が管理している。

コードの割り当て規則は、先行の自治省系コードのものを流用しているので、 実態としてはほとんど同じと言って良いが、細かいところで差異がある。

  • 検査数値なしの 5桁
  • 郡、支庁・振興局にもコードを割り当てている。
  • 策定の時点で「削除」扱いになっているコードがある。つまり、 1970年4月1日以前に存在し、先行の自治省系コードが割り当てられていた自治体が、 1970年4月1日までに廃止された場合、自治省系コードとの整合性のため、 そのコードを削除扱いにした、ということ。

電子情報としては、 総務省ウェブサイトの統計部門のページ から PDF, CSV で入手できるが、 2016年3月31日に LOD形式で公開された ので、現在はこれを使うのが良い。 1970年4月1日から現在までの変遷が追跡できる(ただし、一部に誤りがある。後述)。

このページ の一番下に turtle 形式のファイルが置いてある。

JIS コード

正式には JIS X401, JIS X402。 自治省系「市区町村コード」を流用して JIS 規格化したもの、のようだ。 これについて調べる前に、「標準地域コード」の LOD が見付かったので、 調べるのを止めてしまった。

(続く)