EML の単位(4)

指数関数的減衰における減衰係数の単位は対象とする物理現象によって異なるが、 ここではある物質中を電磁波(光線)が通過することを考える。 すると電磁波は物質中を進む距離に応じて減衰するので、この場合は 減衰係数の単位は L-1 の次元になる。

まぁ要するに日射光の減衰である。

この L-1 の次元の物理量は珍しいようで、EML標準の単位定義には 波数しか無い。

<unitType id="lengthReciprocal" name="lengthReciprocal"> <!--waveNumber-->
  <dimension name="length" power="-1"/>
</unitType>

しかも単位の型名として「距離の逆数(length reciprocal)」などという こなれない語句を当てていて、いかにも苦し紛れな感じがする。 そう言われてみると確かに L-1 次元の物理量はにわかには 思いつかない。不思議な感じがする。

ともあれ係数は扱いが難しく、EML標準定義にはほとんど無い。 少ない中のひとつが transmissivity で、 L2 T-1 の次元である。

<unitType id="transmissivity" name="transmissivity"> <!--metersSquaredPerSecond-->
  <dimension name="length" power="2"/>
  <dimension name="time" power="-1"/>
</unitType>

 Transmissivity は地質学では透水量係数を意味するようだが、 生態学にはあまり関係がないように思うので、 拡散係数を表現しているのではないかと思われるが、どうだろう。 分野を限定しないと用語の意味が確定しないのは科学の難点のひとつである。